4月半ばから、約10日間入院していました。
クローン病の合併症である腎結石による激しい痛みから始まりました。

痛みを抑えるために市販の鎮痛剤を飲んだところ、胃腸が爛れ、腎機能の数値も大きく乱れました。炎症の指標であるCRPは30を超え、嘔吐、下痢、貧血…。体はまるで自分のものではないかのようになり、数日間ICUで治療を受けることになりました。

「もう乗り越えたと思っていたのに」

そんな思いとともに、人生に再びやってきた絶望が、私をのみ込んでいきました。そして、体調の悪化だけではなく、精神的な崩壊が訪れたのです。

「私は、まだ幸せに向かえるのか?」
「この状態で、前を向くことができるのか?」

何度も、何度も、自問自答を繰り返しました。

退院が近づいてもなお、血液は酸性に傾き、退院後も不調が続きました。ふらつき、集中力はゼロ、体重は激減。立ち上がることさえままならず、不安が思考のすべてを覆い尽くしていきました。

今回の入院では、泌尿器科・消化器内科・腎臓内科・総合内科の4名の医師に診ていただきました。それぞれが丁寧に向き合ってくれましたが、感じたのは、医療の「縦割り」構造でした。

どの先生も、自分の専門の範囲でしか話をしません。

それぞれの言葉が少しずつ異なり、私の中に「ではどうすれば?」という迷いだけが積み重なっていったのです。

退院後に感じた最大の不安は、体調そのものよりも、この「見解の違い」によって自分の選択に確信が持てなくなっていたことでした。

もしかすると、それがいちばんの問題だったのかもしれません。


退院してからも、悩みは続きました。
でも、ある“ひとつの選択”が、私を前へ進ませてくれました。▷後編はこちらから


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