「今に集中するって、こういうことかもしれないな。」
ここ最近、そんなことを感じています。
※この記事はシリーズ第5話です。
入院やICUでの体験、退院後の不安と回復については、こちらをご覧ください。
▶【前編】「クローン病の合併症でICUへ:それでも“幸せを向けるか”を問い続けた日々」
▶【後編】「〜自分で選んだ“回復への第一歩”〜」
▶【第3話】「“ないもの”ばかり数えていた私が、“あるもの”に気づいた日」
▶【第4話】「やらなくちゃ」を手放したら、幸せが入ってきた」
未来のことを考えると、不安ばかりが浮かびます。でも、今この瞬間に目を向けると、不思議と心が落ち着くんです。
欲って、なんだろう?
ふと「欲ってなんだろう?」と考えました。
目標や生きがいとは、少し違う気がします。
欲は、“もっともっと”と求める気持ち。今の自分に足りないものを埋めようと、外へ向かっていく感じ。
一方で、目標や生きがいは、内側から湧いてくるようなもの。 誰かのためになりたい、これをやってみたい、という自然な衝動。だから、欲とは少し違うのかもしれませんね。
生活が成り立っている「今」があるのに、まだ起きてもいない未来をあれこれ心配して、気持ちが沈むのはもったいない。
今に集中するということは、未来に振り回されないこと、過去に引きずられないこと・・・。
ただ、「今できること」を静かにやっていく。ようやくその心地よさを、少しずつ感じられるようになってきました。
さて今日は、実家でのんびりする予定…だったのですが。
朝からやることが盛りだくさん(笑)
食事の支度に冷蔵庫の整理に常備菜づくり。日差しがきつくなる前に草むしりと玄関の掃除、そして掃除、洗濯・・・。ホッとしたらもうお昼ごはん。その準備と後片付けをしながらシーツ交換に布団乾燥。合間にメールチェックと原稿確認、そして、夕飯の準備に庭の水やりなどなど。主婦仕事っていくらでも湧いてくるんですね・・・。
一日ずっと動いていました。
でも、ふしぎと、頭の中はとても静か。
あれこれ考えることもなく、ただ目の前のことに向き合っていた一日でした。
「果報は寝て待て」
この言葉が、心にすとんと落ちてきます。
“何もしない”わけではないけれど、無理に求めず、流れに任せて過ごす。そんな姿勢が、今の私には心地よいんです。
そういえば、今日は朝日新聞の記者さんから電話があり、教育関連の原稿の見直しも終えました。特別なことはしていないつもりでも、ちゃんと“やること”はあるし、ひとつひとつ終わっていく。
NHKで「 しあわせは食べて寝て待て 」というドラマが流行っているらしいですが、なんだかその言葉も、最近の私にぴったりです。(ドラマ見てみよう~)
昔の私は、時間が空くと不安になって、何か予定を詰め込んでいました。でも今は、やることがなければ、やらなくていい。休むときは、休めばいい。
その気楽さに、ようやくたどりついた気がします。
欲にとらわれると、がんばりすぎて疲れてしまう。でも、今の幸せに目を向けると、「今だけで充分」だと思える。
この感じが、ずっと続けばいいなあ……
あ、これも欲でしょうか(笑)
今日もちゃんと生きました。
それだけで、十分です。
さくらいりょうこ著『幸せを向いて生きる』や講演会のブログはこちら。ご購入はAmazonで。

