先日、嬉しいことがありました。 オカリナを始めてまだ1か月ほどの生徒さんが、大阪オカリナフェスティバルに出たいと言ってくれたのです。

指使いもまだ覚えている途中。「もう少し上達してから」「来年でいいか」と考えても、誰も不思議に思わない段階です。 それでも彼女は違いました。 「出たいです」 迷いのない、まっすぐな言葉でした。

正直、私の方が戸惑って、「本当に出るの?」と聞き返したくらいです。彼女は「出る」とすでに決めていて、そこに迷いはありませんでした。気持ちのいい人だなと、一瞬で好きになりました。

その姿を見ながら、思い出していたのは大阪オカリナフェスティバルの始まりです。

20年以上続いた神戸オカリナフェスティバルが幕を閉じたとき、私は寂しさを感じました。何かできないだろうか。そんな気持ちが生まれてきたのです。誰かに頼まれたわけではありません。フェスを運営した経験もない。むしろ、自分にできるはずがないと思っていました。

それでも、やってみたかった。

生徒さんに実行委員長をお願いすると、快く引き受けてくれて、会場探しや予算の試算まで、たくさんの力を貸してくれました。実行委員のみなさんも、それぞれの立場で支えてくれました。

第1回は手探りでした。わからないことだらけで、振り返れば改善点も山ほどありました。みんなに無理をお願いしながらの開催でした。それでも、参加してよかったと思ってほしい。少しでも達成感を持って帰ってほしい。そんな思いだけを頼りに準備を進め、なんとか開催にこぎつけました。

第2回、第3回と回を重ねるたびに課題は出てきます。そのたびに話し合い、工夫し、少しずつ形を整えてきました。

そして迎えた第4回。両日とも、締め切りを待たずに定員に達しました。

嬉しかったです。 でも、嬉しいのは定員になったことだけではありません。4年前、「やってみよう」と思った一つの気持ちが、こうして形になったこと。そして、その過程でたくさんの人が関わり、力を貸してくれたことです。

私は講演で、「やるを決めると、できるが始まる」という話をよくします。
できるようになったからやるのではない。やると決めるから、できるが始まる。

彼女の「出たいです」も、4年前の私の「やってみたかった」も、たどれば同じところから始まっています。できる保証があるかどうかより先に、自分で選ぶ。それが、私が講演でも大切にしてきた「選択のチカラ」です。フェスティバルでも、レッスンでも、「やると決めると、できるが始まる」を、私は何度も見てきました。

ただ、この4年で、やると決めるだけでは足りないことも知りました。思うようにいかないことがあっても、途中で課題が見つかっても、やり続ける。その先にしか結果はないのだと、身をもってわかってきたのです。

第4回大阪オカリナフェスティバルが両日定員となったのは、4年間、皆さんと一緒につくってきた結果です。

そして今、オカリナを始めて1か月の彼女の中でも、「できる」が始まっています。 あとは、私も彼女も、結果が出るまでやるだけです。

10月のステージが楽しみです。


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